2026-10-08
Claude に仕事を任せて起きた事故4件
私は前職で建設の現場にいました。いまはプログラミングの経験がないまま Claude Code(文章で頼むと、パソコンの中で作業までしてくれるAI)に仕事を任せています。自作のアプリ作り、動画編集の受注案件、案件への応募文の下書きまで、毎日いろいろ頼んでいます。
任せる量が増えるほど、事故も増えました。この記事では、その中から仕事に直接響いた4件と、事故が続いたあとで分かったことを書きます。
事故1:「完了しました」が、完了していなかった
アプリの画面を直してもらったとき、Claude は検査を全部通して「完了しました」と報告しました。ところが実際にアプリを起動すると、途中でエラーが出て、直したはずの画面は1枚も作られていませんでした。
検査は「部品が正しく書けているか」を見ていて、「アプリを開いて、その画面が出るか」は見ていなかったのです。
「完了」と書いてあるのに動かないのが、いちばん困ります。検査が通ったという報告と、私が使えるという状態は、別のものでした。
事故2:空欄のまま、相手に届いた
受注案件の納品で、提出のメッセージを下書きしてもらいました。リンクを2つ貼る必要があり、1つがまだ用意できていなかったので、Claude はそこを <リンク> のまま残し、返事で「1か所空いています」と太字で教えてくれました。
私はそれを読んだつもりで、そのまま送信しました。相手には「完成動画:<リンク>」が届きました。そのサイトのメッセージは、送ったあとに直すことも消すこともできません。
注意書きは、押せるボタンの前では役に立ちませんでした。人は目の前の「送信」を押します。
事故3:頼んでいないものまで消えた
「テストで作ったものを全部消して」と頼んだときのことです。Claude は消す範囲を選択肢で聞いてくれたのですが、その選択肢の中に、私が頼んでいない「テスト案件のフォルダごと全部消す」が混ざっていました。私の答えも「道具の検証用のものだけ」と「全部」が食い違っていたのに、Claude は広いほうを取って消しました。
消えたのは、残しておくつもりだった別の編集データと書き出した動画で、合わせて4GBほどです。ごみ箱にも残っていませんでした。
このあとにも、同じ型の事故がもう1回ありました。今度は、案件で使う素材を Claude が「一時ファイル」と呼んで消しました。呼び名が変わっただけで、消してはいけないものが消してよいものの側に入ってしまったのです。
事故4:Claude が付けた名前が、作業の向きを決めてしまった
動画編集の受注案件で、依頼は「無音のところをカットし、削除せずに編集点として残す」でした。
Claude は作業の途中で、カット済みのほうに「納品用」、カット前のほうに「確認用」という名前を付けました。依頼の文にはどちらの言葉も出てきません。それなのに、その名前が前提になり、字幕もエフェクトも全部「納品用」のほうに乗せていきました。
本当に大事だったのはカット前のほうでした。丸一日分の作業がやり直しになりました。
事故が続いて分かったこと
- AIは「言われたとおりに」やる。4件とも、指示の側に穴がありました
- 注意を促すだけでは止まらない。読んで「知っている」ことと、その瞬間に思い出すことは別でした
- AIの「完了」は、自分の目で確かめるまで完了ではない。
おわりに
AIに仕事を任せると、人間なら起きない種類の事故が起きます。事故のたびに穴を1つずつふさいでいくと、任せられる範囲が少しずつ広がります。同じように Claude に仕事を任せている人の参考になればうれしいです。