2026-10-10
Claude に書かせた応募文を、送る前に「別の Claude」に点検させている
仕事の応募文や、依頼主への返信の下書きを Claude Code に書いてもらっています。書くのは速いのですが、そのまま送れる文が出てくるとは限りません。
いまは、書いた Claude とは別の役の Claude に、送る前に一度読ませるようにしています。この記事では、そうした理由と、それでも防げなかったことを書きます。依頼主やサイトの名前は書きません。
書いた本人は、自分の文の穴に気づけない
Claude が書いた下書きには、次のようなものが混ざっていました。
- 聞かれていない個人情報:募集文が求めていないのに、パソコンの性能(CPU・メモリなど)を応募文に書いていた。前の案件で求められた項目を、そのまま使い回していました
- 裏の取れない一文:「納期を一度も外していません」。私は言っていませんし、確かめようもありません。同じ下書きに、聞かれていない住んでいる地域も入っていました
- 空欄:納品のメッセージに
<リンク>が残ったまま、入力欄に置かれていた。私はそれに気づかず送りました。そのサイトのメッセージは、送ったあとに直すことも消すこともできません
どれも、書いた Claude 自身は気づかないまま、私に渡してきたものです。自分が考えたことしか、自分では点検できません。
点検だけをする役を作った
Claude Code では、決まった仕事だけをする別の役(サブエージェント)を作れます。私は「送る前に読む役」を1つ作りました。
この役には、決まりが3つあります。
- 直さない、送らない。見つけたものを、場所と根拠つきで返すだけ
- ファイルを読むことしかできない。書き換えも、ブラウザを開くこともできないようにしてある
- 見るものは8つ、全部見る
見るもの8つは、これです。
- 空欄・仮の文字(
<リンク>、「〇〇」など) - 裏の取れない数字・実績(私の経歴を書いた資料と突き合わせる)
- 聞かれていない個人情報(住んでいる地域・機材・家族・本名など)
- 相手の質問や指定への答え漏れ(「応募文の最後に★」のような指定も数える)
- 応募文の中の質問(確認したいことは、応募文ではなく私に聞く)
- 金額が決まっていない(「3,000〜5,000円」のような幅)
- 表記の壊れ(太字の閉じ忘れ、同じ文の重複など)
- 別の案件・別の相手の名前が混ざっていないか
指摘が0件のときも「何を見て0件と判断したか」を書かせています。確かめられなかったものは「未確認」と書かせ、推測で「問題なし」とは書かせません。
それでも、私が消している文がある
点検役を入れても、私が送る前に消している文があります。消しているのは、だいたい4種類でした。
- 言い直し:相手が自分のメッセージに書いた条件や注意事項を、そのまま言い返している
- 先回り:まだ言われていない修正の対応を「遠慮なくお申し付けください」と先に申し出ている
- ほめ言葉:相手が書いた条件を「ありがたく思っています」と言い換えているだけ
- 名乗り:2通目以降の返信で、毎回名前を名乗っている(画面には名前がもう出ている)
どれも「いま相手が知る必要のない文」です。丁寧にしようとして、相手がもう知っていることを足してしまう。
一度、点検役がこの「言い直し」をちゃんと指摘したことがありました。ところが書いた側の Claude は、その文を消さずに言い回しを変えて残しました。言い換えても、言い直しは言い直しです。私が気づいて消しました。いまは「言い直しを指摘されたら、言い換えずに消す」を決まりにしています。
やってみて分かったこと
- 書く役と、読む役を分ける。書いた側は、自分が考えたことの外にある穴に気づけない
- 読む役には、直させない。直す権限があると、指摘ではなく書き換えが返ってくる
- 見るものは、過去の失敗から作る。8つはどれも、実際に一度やらかしたものです
- 最後に読むのは自分。点検役が見つけても、書いた側が残すことがある。送るボタンを押す前に、自分で1回読む
点検役を入れても、最後に読むのは私です。ただ、空欄や裏の取れない数字のような「送ってしまったら取り返しがつかないもの」を、私が読む前に一度拾う場所ができました。