2026-10-10
受注した動画編集を Claude に手伝わせてみた。テロップはほぼ手直し、編集点も数フレームずれる
私は動画編集の仕事を受けたとき、作業の一部を Claude Code に手伝わせています。編集ソフトは Premiere(Adobe の動画編集ソフト)で、Claude は自作の道具を通して、外から Premiere を操作します。
先に結論を書きます。いまの時点では、AIが作ったものは当てになりません。テロップ(画面に出す字幕)はほぼ全部手直しで、編集点(無音のところに入れる切れ目)も数フレームずれます。
それでも使っているのは、ゼロから自分でやるより、たたき台があるほうが始めやすいからです。この記事では、手伝わせている範囲と、なぜそこで線を引いているかを書きます。
依頼主やサイトの名前、やり取りの中身は書きません。
Claude に手伝わせているのは、この4つ
- 元の動画を読み込む
- テロップのたたき台を作る(話している言葉を文字に起こして、字幕にする)
- 編集点のたたき台を入れる(無音のところと、テロップの頭に切れ目を入れる)
- テロップの見た目をそろえる(フォント・大きさ・表示する位置)
ここまでで、ひとまとまりです。4つが終わったら Claude は報告して止まり、そこから先は私の作業です。
実際の仕上がり
- テロップ:ほぼ全部、手で直しています。区切る位置がずれる、短すぎる1枚ができる、「えー」「あの」のような言葉が残るなど、そのままでは使えないものが大半です
- 編集点:無音のところに入りはしますが、数フレームずれます。1つずつ見て、位置を合わせ直しています
「AIで自動化した」と言えるほどの状態ではありません。たたき台を作ってもらい、仕上げは全部人の手、というのが正直なところです。
自分の手でやっていること
- テロップの直し(ほぼ全部)
- 編集点の位置の合わせ直し
- 切れ目のあいだを、実際に消す
- 画像(挿絵)を入れる、音量を調整する
- 書き出し、納品
線を引いた理由1:消してしまうと、戻せない
編集点が数フレームずれる以上、「そこを消してよいか」を Claude に決めさせることはできません。話の途中の「間」なのか、言い直しなのか、ただの無音なのかの判断も、いまの自動の判定では足りません。間違って消してしまうと、気づいたときには戻せないこともあります。
切れ目だけなら、ずれていても私がその場で見て直せます。だから Claude は切れ目を入れるところまで。消すのは必ず私の手です。依頼の文が「無音はすべてカットしてください」でも同じです。依頼主が求めているのはできあがりの状態で、誰がどの順番で消すかではないからです。
この約束は、2つの案件で同じ指摘をしたあとに決めました。精度が上がったら、自動で消すのを解禁するつもりです。
線を引いた理由2:頼んでいないところまで進むと、確認する前にできあがってしまう
ある案件で、Claude は字幕と切れ目のあと、挿絵の挿入、音量を少し上げる調整、書き出し、納品用の一式の収集まで、続けて進めてしまいました。
どれも依頼の資料には書いてあった作業です。ただ、どこまでを誰がやるかは、私が決めることでした。しかもその手前のテロップと編集点は、私が直す前の状態です。直す前のものの上に作業が積み重なり、あとから範囲を引き直すことになりました。
いまは、依頼の資料に書いてあっても、4つの外は私が指示したときだけです。
線を引いた理由3:案件の最中に道具を直さない
ある案件の最中に、Claude が使う道具(テロップや切れ目を作る部分)に直しを入れたことがあります。手元の検査は全部通っていました。ところが、本物の素材で初めて動かしたのがその案件でした。
テロップの切れ目が1文字ずれる、短すぎるテロップが大量にできる、といったことがその場で出て、手でやるよりもミスが多くなりました。
いまは次のように分けています。
- 案件の最中は、その場の回避策だけ
- 道具の直しは案件の外で、素材の写しに最後まで通して、できあがったものを見てから次の案件で使う
やってみて分かったこと
- AIが作ったものは、たたき台として受け取る。完成品として扱わない
- 任せる範囲は、「できること」ではなく「間違えたときに直せるか・戻せるか」で決める
- 依頼の資料はできあがりの状態を決めるもの。誰がどこまでやるかは、自分で決める
- 道具の直しと、仕事の本番を同じ日にやらない
受注の仕事で使ってみた私の実感は、いまのところこの程度です。精度が上がったら、また書きます。