2026-10-15
プログラミング経験なしで Claude と動画プレイヤーを作り、BOOTH で売るまで
パソコンで動画を見るとき、スマホのように「画面の右をトントンと叩いて先へ送る」操作がしたくなりました。探しても好みのものが無かったので、Claude Code(文章で頼むと、パソコンの中で作業までしてくれるAI)に作ってもらいました。
最初の依頼は1行です。「このPC上でスマホ感覚で操作できる動画プレイヤーを作りたい」。そこから自分用に使い始め、いまは BOOTH で売っています。この記事では、その間にあったことを書きます。
最初に出てきたのは、思っていたものと違った
Claude は作る前に、いくつか質問をしてきました。その中に「起動したとき、何を出すか」という問いがあり、先頭に「登録したフォルダの一覧」が推奨として置かれていました。私はそれを選びました。
見本の画面が3案届いて、そこで初めて気づきました。私が欲しかったのは一覧のあるアプリではなく、動画をダブルクリックしたら、それを再生するだけのものでした。Windows に最初から入っているメディアプレイヤーのように、画面には動画しか出ない形です。
「そもそも前提が違う」と伝えて、設計を全部書き直してもらいました。見本の段階だったので、捨てたのは見本だけで済みました。
推奨が先頭に置かれていると、聞かれた側はそれを選びやすい。私も実際にそうしました。
操作は、使いながら18件直した
できあがった形はこうです。
- 画面の右側をダブルクリックで先へ、左側で前へ送る(秒数は5〜60秒から選べる)
- 右側を押し続けると、押している間だけ早送り
- 真ん中をクリックで再生・一時停止
- 操作バーは、触らないと透けて消える
そのうえで、使っていて引っかかったところを1つずつ伝えて直してもらいました。直した項目は、数えると18件あります。
「ダブルクリックを続けると、もっさりする」「端にカーソルを寄せたら、スマホのように次の動画の矢印を出してほしい」「閉じて開き直すと、窓の位置が元に戻るのが煩わしい」。どれも、使ってみないと出てこない話でした。
いちばん手こずったのは「次の動画」の順番です。私はエクスプローラーで名前順に並べて見ているのに、アプリの「次」がその順にならないことがありました。Claude が調べると、名前の比べ方が Windows と違っていて、検査用に作った62個の名前のうち40個以上が別の位置に来ていました。最後は Windows 自身に並べさせる形にして、エクスプローラーの並びと完全に一致させました。
売ろうとして見つかった、自分のPCでは起きない不具合
自分で使っている分には、何も困っていませんでした。売ることを考えて「ほかの人のパソコンで動くか」を確かめてもらったところ、大きな穴が出てきました。
このアプリは、動画の形式を調べるのに、私のパソコンに入っていた別の道具を使っていました。その道具が無いパソコンでは、どの動画を開いても「読めませんでした」になる作りだったのです。私のパソコンでは当然入っているので、一度も起きませんでした。
Claude はまず、その道具が無い状態を作って試す検査を書き、直す前の版で8項目中5件が落ちることを確かめてから直しました。直したあとは、配る zip をエクスプローラーと同じやり方で展開したものでも、全部通っています。
あわせて、再生しているあいだにインターネットへ接続していないことも測ってもらいました。外への接続は0件でした。説明文の「インターネットには接続しません」は、この結果をもとに書いています。
まだ残っている弱点
このアプリには、発行元を証明する署名が付いていません。そのため、ダウンロードした人のパソコンでは、初めて起動するときに Windows が警告を出す見込みです。いまは説明文に「詳細情報」→「実行」で起動できることを書いて対応しています。
おわりに
自分のために作ったものを人に渡そうとすると、「自分のパソコンだから動いていた」部分が見えてきます。今回は、売る準備そのものが、いちばん大きな不具合を見つける検査になりました。
できたアプリは、下のリンクから見られます。私が作って売っているものです。